マイコプラズマ肺炎と細菌性肺炎の鑑別のところで、マイコプラズマの迅速診断キットについて書くのを忘れていました。
迅速診断ではこれまでにイムノカードという抗体を用いた検査がありましたが、これが感度・特異度とも満足出来るものではありませんでした。
そこで2013年に抗原を検知するリボテスト


これらはイムノカードよりは感度、特異度共に優れていますが、それでも100%ではありません。例えば非定型肺炎の診断であれば以前挙げた「細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別ポイント」を使えばいいわけで、非定型であればマクロライド系を使いますから、マイコプラズマ肺炎を積極的に診断する場面はそれほど多くないかもしれません。
重症例では原因の確認が必要でしょうし、流行の調査にも使えるでしょうが、検査結果で治療法が変わるような、肺炎に必須の検査、とはいえないように思います。
呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践