定義としては、正確を期してFleischner Society: Glossary of Terms for Thoracic Imaging(David M. Hansellら, Radiology, Mar 2008, Vol. 246:697–722)から引用したいと思います。
「蜂巣肺(honeycombing)は、典型的には径が3-10mmで、壁の厚みは1-3mmの円形の陰影が集蔟したもので、蜂の巣に似ている。それは肺病変の終末期を意味する。CTスキャンでは、典型的には径が3-10mmだが時には2.5cmにも及ぶ嚢胞が集合して見える。蜂巣肺は通常は胸膜直下にあり、明瞭な壁をもつ。」
この定義以外に、嚢胞というか円形の陰影が重層〜少なくとも3層以上ある、隣り合う嚢胞は壁を互いに共有する、空間的・時間的不均一性がある、等の特徴が挙げられています。ここを突き詰めると大変ですので、軽く流しておきましょう。
ということで典型的には先に挙げた写真のような陰影となります。シェーマとしては、下のような図で表されます。
もう一つ出てきた「網状影」、こちらもFleischner Society「網状パターン」の項を紐解いてみましょう。
「胸部X線写真上は、網状影は無数の小さな(短い)線状影の集まりで、その総和として網に似た陰影を呈する。この所見は通常間質性肺疾患を意味する。網状影を構成するのは小葉間隔壁、小葉内の(微細な)線状影、蜂巣肺における嚢胞の壁などで、いずれにせよHRCTではより明瞭に見られる。蜂巣肺と網状影は同義と考えられるべきではない。」
肝心なところは、「網に似た陰影」ですが、付け加えるならば、間質性肺疾患の存在を反映して、背景にすりガラス影があるのが一般的です。
呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践