2017年01月24日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診療・肺非結核性抗酸菌症の診療・MACの治療3・薬に対するあれこれ・CAM

CAMは副作用が比較的少なく使いやすい薬、と認識されています。そのために小児から濫用されて一般細菌に効かなくなってしまった…という話はまた改めてするとして、CAMには消化器系の副作用がしばしば見られ、用量が増えると副作用も増えるといわれています。副作用を軽減するためには、いくつかの工夫が必要です。


  • 投与量を減らす

  • 減らすといっても、600mg未満だと効果の点で心配なので、特に高齢者(70歳以上)の場合、低用量より開始し徐々に増やす

  • 分1よりも分2投与


例えば、400mg分2⇒600mg分2⇒800mg分2、と数日〜1週間毎に増やします。


抗結核薬の感受性は、MACの治療効果を推し量る上では役に立たないとされています。唯一、CAMだけは液体培地を用いてMICを測定することが出来、4μg/ml以下を感受性、32μg/ml以上を耐性と判定します。耐性であると判明すればCAMは中止します。


とはいえ、初回治療ではCAM耐性はほとんど考えなくてよい、とされています。でもですね。「副鼻腔気管支症候群」「慢性副鼻腔炎」に対して、CAMをダラダラ長期間使われている症例をよく見かけます。これ、今後問題になってくると思います。後で触れるかもしれません。


副作用や耐性などでCAMを使えない、てな場合、キノロン系としてシタフロキサシン(STFX)が代用されます。キノロン系も確たるエビデンスがある、というわけでもないのですが、なにせ副作用があまりないものですから、気軽に?使われていうことが多いです。これまで、レボフロキサシン(LVFX)やモキシフロキサシン(MFLX)もよく使われていましたが、最近ではSTFX、とする意見が多いようです。


  • RFP 10mg/kg(最大600mg)/日 分1

  • EB 15mg/kg(最大750mg)/日 分1

  • STFX 100-200mg/日 分1



CAM単剤、CAM+キノロン、という投与法がかつては副作用が少ないこともあり、半ば気軽に行われていましたが、今では耐性の元となるため厳禁、とされています。まだされておられる先生方、厳禁です!3剤以上併用が原則です。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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