2017年03月07日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診療・これでよかった?胸腔ドレナージ学び直し2・気胸の機序

「気胸のときに胸腔ドレナージを入れる、で、肺がふくらんだらクランプして、それから抜去する」
「なかなかリークが止まらなかったら、まず癒着術をする」


これは正解でしょうか?微妙ですね…。


気胸とはどのような状態で、何のためにドレナージをしているのか、癒着術とは何をしているのか、それをご理解頂ければ、きっと間違いも生じないはず。




気胸とは、臓側胸膜、ないしは壁側胸膜(+胸壁)に孔があいて、空気が胸腔内に侵入したことを指します。通常言われる「自然気胸」は前者で、外傷や医原性に起こる気胸は後者が多いです。後者を、機序の違いを強調して「外気胸」と呼ぶこともあります。


スライド43.JPG


通常、壁側胸膜と臓側胸膜とはピッタリくっついていて、間には空気はなく真空状態です。ピッタリくっついた状態では動きが制限されますので、ツルツル動けるように間に少量の胸水が存在して、潤滑油の働きをしています。胸水の量は5〜10mL程度といわれています。


臓側胸膜に孔があいて、空気が肺から胸腔内に漏れてくるのが自然気胸。


スライド44.JPG


壁側胸膜(+胸壁)に孔があいて、空気が胸腔内に入ったものが外気胸です。


スライド45.JPG


で、気胸の治療とは何をしているのか。ドレナージにはどういう効果があるのか。


それは簡単ですね。胸腔内に入った空気を抜く、ということです。自然気胸の場合、空気が抜けることで肺がしぼみます。しぼむと肺に空いた孔も小さくなり、塞がってきます。多くのケースでは、こうして自然と孔は塞がるのです。


スライド46.JPG


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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この記事へのコメント
1年近くかけてブログの初回から読んできて、最近全て読み終えました。東京都の小さな急性期病院で理学療法士をしている者です。
本日の1枚目のスライドですが、「臓側胸膜」と「壁側胸膜」の記載が逆になっているのではないかと思い、初めてコメントいたします。
毎日更新を楽しみにしています。
Posted by at 2017年03月08日 20:57
コメント、およびご指摘をありがとうございました!
ご指摘通り、記載が逆になっておりました。図の差し換えをさせて頂きました。
これからも気付かれたことがありましたらどしどしご指摘下さい。よろしくお願い申し上げます。
Posted by 長尾 大志 at 2017年03月13日 08:06
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