2017年03月24日

縦隔とは

縦隔、とは、左右の肺の間にあるスペースのことです。あたかも家(特にマンションやアパートなど)にある「パイプスペース」のごとく、中を管(気管、食道や血管・心臓)が通っています。臓器でも、構造物でもないただの空間ですから、圧されたり、引っ張られたりすると、容易に動きます。


(解剖の教科書参照)


特に上の方にある、気管〜気管分岐、食道や大血管などは、圧されたり引っ張られたりする病変を見つけるのに便利です。気管周りを見るときに知っておきたい構造物とその見え方を確認しておきましょう。


気管〜気管分岐部〜左右の主気管支、上大静脈〜右房、大動脈弓あたりは、胸部X線写真ではこのように見えます。


スライド11.JPG


スライド12.JPG


気管は空気の棒みたいな黒い帯状の構造物として見えます。声帯狭窄部からほぼ正中を走り、気管分岐部で左右に分かれます。右主気管支はごく短いですが、左主気管支は結構長く、よく見えることが多いです。


上大静脈は鎖骨のあたりから見えるようになり、下に降りてそのまま右房(右2弓)に移行します。


上行大動脈は角度の関係で正面写真では見えません。大動脈弓〜下行大動脈はハッキリと見え、横隔膜を越えると見えなくなります。


スライド13.JPG


大動脈の高さでのスライスでは、上大静脈(橙)、大動脈弓(赤)は前から見たときに接線を形成しますから、正面像で線として認識出来るのです。


スライド14.JPG


鎖骨の高さになってくると、上大静脈も、大動脈から分岐した太い動脈(総頸動脈、鎖骨下動脈、腕頭動脈)も接線をなさないことが多く、正面像で線はあまり認識出来ません。


上大静脈の見え方には個人差があり、線がほとんど認識されないケースもしばしばあります。


スライド15.JPG


この症例では、気管の右側に線があるようなないような…。


スライド16.JPG


CTで見ると、上大静脈の接線が椎骨と重なっている…それで目立たない模様です。


スライド17.JPG


この症例はどうでしょう。上大静脈の線、見えるような、見えないような…。


スライド18.JPG


CTだとしっかり接線があるように見えるのですが、こんな感じで、正面像だとごく薄くしか見えないこともあるのです。

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posted by 長尾大志 at 18:18 | Comment(0) | 胸部X線写真で、ここまでわかる
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