2017年03月29日

気管の横に白い部分があるか

正常では、気管の右隣には、あまりこれといって構造物はありませんでしたね。上大静脈は気管より前にあって、接してはいません。


左隣は、大動脈弓と、それに続く下行大動脈、上方には、大動脈から分岐する3つの動脈があります。


ですから、気管の右隣に病変が生じてくると、右横に白い部分ができてくることになりますし、左隣に病変ができると、大動脈の周囲に白い部分が増えてくることになる。


昨日述べた「気管が追いにくい」所見と組み合わせることで、「なんかこの辺がおかしい」と目星をつける根拠になります。


例えば、昨日の症例だと…


スライド22.JPG


正常では肺しか診られないこのあたりが、なんか白くなっている。ここに何かあるのではないか。


スライド23.JPG


CTを撮ると、気管の右隣〜前面にかけてリンパ節があります。こいつが、

  • 気管の走行を見えにくくして、かつ

  • 気管の横の白い部分を形成している、ということになります。

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posted by 長尾大志 at 21:28 | Comment(0) | 胸部X線写真で、ここまでわかる
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