- 左から何かが圧しているか
- 右に何かが引っ張っているか
のどちらかです。
となると、気管の左右を見て、どちらかが白ければ、その白いところが原因で、
- 左が白ければ、圧しているので左に腫瘤・胸水がある
- 右が白ければ、引っ張っているので無気肺・線維化
であるとわかります。
この症例では、気管の左が白い。ということは、気管の左に何かできて、それが気管を圧している、と考えられるのです。検査の結果、小細胞肺癌と診断されました。
小細胞肺癌ですから、治療によく反応します。治療後の陰影を見てみましょう。
矢印の部分は、治療前にはシルエットサイン陽性であった大動脈弓の上縁です。治療で腫瘤が縮小してきたことによって、見えるようになってきました。小細胞肺癌は陰影の変化が比較的早く起こるので、初学者の先生方が「陰影の変化」を掴むのに適していると言えます。
CTでも、大血管を巻き込む腫瘤に気管が圧排されている様子、そして治療後に腫瘤が縮小し、少し気管が戻っている様子がよくわかります。
治療前
治療後