2017年04月07日

リンパ節腫脹の見かた4

厳密にいうと、右肺から流れてきたリンパの流れは、縦隔の右側を通って右の静脈角に入ります。そして左下葉からのリンパ流も、気管分岐下リンパ節を経由して、主に縦隔の右側を通って右の静脈角に入ると言われています。


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ただ、左上葉からのリンパ流は、左肺門を経由し、縦隔の左側を通って、左の静脈角に注ぐとされていまして、左上葉の病変からやってきたものは気管の左側のリンパ節腫脹につながると。


スライド40.JPG


ですから逆に、気管の左側のリンパ節腫脹が考えられるような、大動脈弓のシルエットサイン陽性+気管の左が白い所見、とか、A-P windowの突出とかの所見があると、左肺野に原発巣を探す、という使い方もできます。


例はいいものがありませんが…。



さてこれから奈良県は王寺へ向かいます。こちらです。奈良県西和医療センターの皆さん、よろしくお願い申し上げます。


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posted by 長尾大志 at 10:53 | Comment(3) | 胸部X線写真で、ここまでわかる
この記事へのコメント
このリンパ路の非対称性を初めて知った時は、人体への興味が増しました。そして心臓や食道などの縦隔の器官からのリンパ路はどうなっているのだろうと知りたくなりました。
例えば、心臓は気管分岐部より下なので心臓からのリンパ路はすべて右側を通って右静脈角に注ぐのだろうか?とか、それとも心臓からはリンパ路は無いのだろうか?とか疑問が湧きました。
教科書やネットを探して知恵袋で質問してみたりもしたのですが、肺や胸壁以外はハッキリと分からないままです。
長尾先生は縦隔の器官からのリンパ路について、どのように流れていると認識されていますか?
Posted by シロクマ at 2020年05月09日 15:03
かの伊藤晴海先生は、解剖学の教科書を大いに参照されていました。お手持ちの教科書になければ、図書館にある古めの解剖学教科書など、参考になるかもしれません。
Posted by 長尾大志 at 2020年05月09日 16:11
失礼しました。今度図書館でもう一度調べてみます。
Posted by シロクマ at 2020年05月10日 10:29
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