結節影や浸潤影が、どのような性質を持っているのか。陰影の辺縁を見て推測することができます。
腫瘍性の病変は、モコモコ細胞分裂して大きくなりますから、辺縁は外向きに凸になります。
それに対して、辺縁が内向きに凸の病変は、病変が縮んでいる様子を思わせます。無気肺や線維化病変といった病変が有名ですが、肺癌の中でも(高分化)腺癌など、内部に線維化を伴うものはその線維化のために収縮機転が生じます。そのために、腫瘍でも腺癌などでは内向きに凸の辺縁が見られます。
結節影や腫瘤影に相当する大きさであっても、腺癌の場合、内部に線維化による収縮機転を来し、陰影の辺縁が内向きに凸になることが多いです。収縮に伴って周囲の組織が引っ張り込まれますが、近くの胸膜を引っ張り込んだものを胸膜陥入像といいます。
2017年04月20日
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