そんなときはどう見るか。そういう病変は肺胞、肺組織の密度が少なくなっていますので、肺野末梢の血管影が細くなったり、少なくなったり、あるいはなくなったり、そういうところを見ます。まあ、それも含めて黒っぽい印象を受ける、といえばそうかもしれません。
正常の血管影(水の密度)は、肺内(ほぼ空気の密度)を、肺門を中心に放射状に、少しずつ枝分かれして細くなりながら拡がっていきます。
立位で撮影されていれば、下肺野に行く血管は上肺野に行く血管よりも、重力によって多く血液が流れますから、太め(上の肺野に行く血管の1.5倍〜2倍くらい)に見えるといわれています。イメージとしてはこんな感じです。
基本、同じ高さの血管は左右同じような太さだと考えてOKですから、肺野を見る時には左右の血管影に差がないか、同じ高さで比較をしながら追っていきます。
さて明日は、第57回日本呼吸器学会学術講演会2日目です。ポスター座長のために日帰りで東京に行って参ります。いろいろ予定が入っていて、ちょっと更新する時間はないような予感がしますので、よろしくお願い申し上げます。