2017年04月26日

肺下胸水

胸水は立位では横隔膜のすぐ上に、肋横角を鈍にしながら貯留していきますが、症例によっては、横隔膜の形に添って貯留し、あまり肋横角の鈍化が目立たないことがあります。


そういう場合、肺下胸水、と呼ばれ、ただ横隔膜が挙上しているかのように見えるために、異常所見として認識しにくいものです。


ただ横隔膜が上がっている場合との鑑別点としては、特に左側で、胃泡と(見えている)横隔膜の間が離れていないかどうかを確認します。


横隔膜は通常、胃泡のすぐ上(1cm未満)にありますが、ここが分厚くなっていると、肺下胸水の可能性があるのです。


スライド62.JPG


まあ、正常でも1割程度は1cmを超える、ともいわれていますので、確認には次の方法を使います。


  • 胸水があると思われる(横隔膜の高い)側を下にした側臥位で写真を撮る。

  • 側面や斜位でX線写真を撮る。

  • 超音波検査をする。

  • CT検査をする。



まあ、すぐにCT撮れるんだったら苦労しないよ、というところでしょうが、患側が下の側臥位は検出感度が高いのでお勧めします。


スライド63.JPG

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posted by 長尾大志 at 14:40 | Comment(0) | 胸部X線写真で、ここまでわかる
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