出る出るといわれていた、『成人肺炎診療ガイドライン2017』がついに公開されました。私も4月に参加した、第57回日本呼吸器学会学術講演会ではじめて公開されたかと思うのですが、呼吸器学会の会員であれば正本がそのうち送られてくるため、慌てて情報収集をしなくてもいいだろう、ということで、学会場では他の勉強をしておりました私でございます。
で、このたび、めでたく正本が送られて参りましたので、取り急ぎ、これまでのガイドラインとの違いなどを中心に目を通してみました。やはり私としましては、一番の関心事としては、『やさしイイ呼吸器教室 第2版』の内容がガイドラインとズレてはいないか?ということがありましたので。
印象としては、大筋の診断、治療のところはこれまでのガイドラインと変わらない、ただし時代を反映して、エビデンスであったり、クリニカルクエスチョンであったりがキッチリと記載されるようになった、という点でしょうか。もちろん、これまで市中、院内、NHCAPと3部に分かれていたものが1冊になったのも、非専門医の先生方や若手の先生方には取っつきやすくなっていると思います。
あとは、これまで付け足し?のように個別に語られていた、グラム染色や敗血症、それからキノロンの結核問題等がキッチリ盛り込まれていた点も、時代の要請かなあ、と思いました。この辺は『やさしイイ呼吸器教室 第2版』にも元々しっかり記載してあります。
NHCAPガイドラインで出てきた、いわゆる延命であったり、高齢者医療にまつわる諸事について改めて語られている点も、時代を反映しているところであるかと思います。
いずれにしても、『やさしイイ呼吸器教室 第2版』をはじめ、講演などでお話をしてきた内容は、特に改訂の必要がなさそうで、とりあえずホッとしました。というわけで購入を迷われている方は安心してご購入ください(笑)。
2017年05月07日
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