2017年05月10日

胸部X線写真とCTの位置関係

肋骨が分かると、胸部X線写真で見える陰影が、胸部CTでどの辺にあたるのか、だいたいの見当がつけられるようになります。これができるとちょっとドヤ顔ができますのでこっそりお教えしましょう。


そもそもですが、胸部X線写真は通常立位で撮影され、胸部CTは仰臥位で撮影されます。立位の方が重力によって横隔膜が多少低位になる、つまり肺が多少下に伸びますので、特に下肺野では位置がズレがちであります。それでも多少は参考になりますが、特に上肺野で使える技だと思ってください。


スライド94.JPG


骨以外の目印としては、気管分岐部がよく使われますが、1箇所しかありませんので、分岐部より上にあるか、下にあるか、というおおざっぱな目安にしかなりません。骨を使いましょう。



実際にやってみます。例えばこの写真。右上肺野にクッキリとした結節があります。


スライド95.JPG


胸部正面X線像で、第何肋骨の部分に病変があるかを確認します。できれば前と後ろ,両方確認しましょう。


スライド96.JPG


結節(黄色)は、前方では第1肋骨と第2肋骨の間、後ろでは第3肋骨と第4肋骨の間に存在することがわかります。


それからCTで、肋骨を数えながらスクロールしていきます。上から降りていって、まずは鎖骨を見つけます。


スライド97.JPG


鎖骨のすぐ後ろ(下)が、第1肋骨。


スライド98.JPG


第1肋骨の後ろ(下)が第2肋骨でしたね。その後ろが3…4…。


スライド99.JPG


第1肋骨と第2肋骨の間に点が見えてきました。


スライド100.JPG


スライド101.JPG


前側は第1肋骨と第2肋骨の間、そして後ろ側は第3肋骨と第4肋骨の間に位置することがわかります。


スライド102.JPG

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posted by 長尾大志 at 19:49 | Comment(0) | 胸部X線写真で、ここまでわかる
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