そもそもですが、胸部X線写真は通常立位で撮影され、胸部CTは仰臥位で撮影されます。立位の方が重力によって横隔膜が多少低位になる、つまり肺が多少下に伸びますので、特に下肺野では位置がズレがちであります。それでも多少は参考になりますが、特に上肺野で使える技だと思ってください。
骨以外の目印としては、気管分岐部がよく使われますが、1箇所しかありませんので、分岐部より上にあるか、下にあるか、というおおざっぱな目安にしかなりません。骨を使いましょう。
実際にやってみます。例えばこの写真。右上肺野にクッキリとした結節があります。
胸部正面X線像で、第何肋骨の部分に病変があるかを確認します。できれば前と後ろ,両方確認しましょう。
結節(黄色)は、前方では第1肋骨と第2肋骨の間、後ろでは第3肋骨と第4肋骨の間に存在することがわかります。
それからCTで、肋骨を数えながらスクロールしていきます。上から降りていって、まずは鎖骨を見つけます。
鎖骨のすぐ後ろ(下)が、第1肋骨。
第1肋骨の後ろ(下)が第2肋骨でしたね。その後ろが3…4…。
第1肋骨と第2肋骨の間に点が見えてきました。
前側は第1肋骨と第2肋骨の間、そして後ろ側は第3肋骨と第4肋骨の間に位置することがわかります。