2017年05月14日

昔(の研修制度)はよかった、という郷愁と、そういう選択肢を準備できないものかという思い

思うに現在の初期研修では、自分が将来所属する「医局」というものを決めずに研修を開始します。で、2年間の初期研修の後に、その先のキャリアを決めていく方式。


もちろんこのやり方には、キャリアの自由度であったり、何よりローテーションによる総合力の涵養であったり、メリットが多々あるのは理解しておりますが、おそらく研修医諸君にとって最もストレスがかかるであろう「研修開始の数ヶ月」に、全く寄る辺ないと申しますか、ちょっとそのあたりはかわいそうだなあ、と思ったりするのです。


私が研修していた20年前には、医局に所属してから働き始め、特に最初はその医局で研修を開始していました。私のように手先が不器用で、学生の時にろくろく教科書を読んでいたかったような、まあいわゆる「出来の悪い」研修医であっても、それなりに?大切に扱ってもらえて、丁寧に教えてもらえて、相談や悩みにも乗ってもらえていたように記憶しています。


自分のことを思い返すと、特に働き始めの数ヶ月はしんどかったもので、「自分は医者に向いていない」「もう辞めた方がいいのではないか」などと夜な夜な思い悩んでいたものです。それでも、朝が来ると病院に行かなければならない。行けば行ったで指導医、上級医の皆さんと仲良くして頂いて、なんやかんやでそのうちにできるようになってきて、いつの間にやら自信もついてきたものでありました。


今ではたぶん、そういう相談役をになうのは、「臨床研修センター」のようなところであったりするのでしょうが、本当に親身になって相談に乗ってくれるのか、いささか心許ない気がするのですね。


自分が市中病院に出たときも、最初は慣れない環境に苦しんで、しかも1年目にやっていなかった内科全般の臨床が始まったもので、その時にも大変なストレスでしたが、その時に自分を支えてくれたのが、「呼吸器の専門家」としての矜恃、それまでに培っていたものでした。ですから私見ですが、研修の最初にしっかり専門教育を受けるのもいいものだと思っています。



また、これまでに研修医の先生に起こった問題では、進路決定時の様々な(上級医、からの?)圧力がストレスになって、とか、悩んだ挙げ句、とか言うことも聞きます。自分の時は、キャリアの選択肢にそれほどの自由度はありませんでしたが、自由すぎる選択肢も、却ってストレスにもなったりします。昨今の研修医諸君のキャリアの自由度がうらやましくもありますが、自分の時はアレでよかったのかなあ、とも思いますね。



見ていたDVDは、研修医の先生方がストレスでdropoutする、とか、もっと悪い結果にならないような対処法を述べておられたわけですが、それって一つには、最もストレスがかかるであろう「研修開始早々」や「進路決定時」などに、研修医の先生方に「寄る辺」がない、ということも問題なのかなあ、妻の感想を聞いて、そんなことを思いました。

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