ABPAは平たくいうと、肺内に住み着いたアスペルギルスによってアレルギー性の炎症が起こり、喘息症状が生じて、かつ気管支拡張など肺の破壊が進行する疾患です。
最近ではアスペルギルス属以外の真菌でも、似たような病態を呈することが報告されていて、アレルギー性気管支肺真菌症(allergic bronchopulmonary mycosis:ABPM)と総称されることもあります。
特徴的な画像所見として、拡張した気管支の中に粘液栓といわれる、痰のカタマリが貯留してできた棍棒様の陰影が見られます。気管支拡張は上肺野優位で、比較的中枢の気管支に多く見られます。
拡張した気管支の先に粘液栓が見えることもありますが、図のように気管支拡張なく粘液栓だけが見えることも多く、その場合は気管支と同じような走行で、分岐しているところが見えたりすることから粘液栓と判断します。