レジオネラ肺炎の可能性、ということであれば比較的徐脈に注意しますが、ここでは発熱なしで頻脈ですから、とりあえず当てはまりません。
血圧が低いのは菌血症〜敗血症の可能性。頻呼吸と軽度の低酸素からは肺の感染症、肺炎の存在を疑うことになります。頻呼吸と血圧低下は敗血症の判定にも使われようかというqSOFA(quick Sequential Organ Failure Assessment)のスコアに含まれていますから、これだけで2点=敗血症の疑いあり、ということになります。
qSOFAスコア
- 呼吸数≧22/分
- 意識レベルの変容
- 収縮期血圧≦100mmHg
診察所見で目立つものは、右肺野のcoarse crackles聴取、これからも肺炎はありそう◎、となるでしょう。菌血症〜敗血症もあやしい○です。
尿路感染もあるかもしれませんが、少なくともCVA叩打痛など、積極的に示唆する所見には乏しいと言えます。肺結核も、鑑別に入れることを強く推奨するわけではありませんが、否定するものでもありません△。
ということで、次にやるべきことが決まって来ましたね。
Q:やるべきことは?
胸部X線写真、CT
肺以外の臓器障害を評価
喀痰培養、尿培養、血液培養
プロカルシトニン測定
輸液による血圧の維持
症例検討会BRONCHO