2017年07月27日

症例検討会BRONCHO14−7

一般論ですが、膠原病で治療開始するかどうか、そのタイミングは「どれだけ治療が必要か」によって決まります。診断確定を待つかどうかは、待てる状態かどうかによるのです。


例えば急速に進行する間質性肺炎がある皮膚筋炎(疑い)のような場合、治療を待つことはまったくできないでしょう。診断が定まっていなくても、直ちにステロイドパルス+免疫抑制薬が必要です。診断確定を待たずに治療開始もあり○で、診断確定までは治療開始しない×ということにはなりません。


また、膠原病の治療でよく使われるステロイド薬や免疫抑制薬は、罹患臓器によっておおよそ治療に必要な薬剤量が決まっています○。


肺の場合、間質性肺炎が多いですが、皮膚筋炎の急性例ではパルス⇒PSL 1mg/kg/日という使い方が多いでしょう。皮膚筋炎ではない、とか、比較的軽症の場合、PSL0.5mg/kg/日程度での治療となります。本症例では軽微な病変であり、もう少し待てるかもしれません。


あと、本症例では、腎障害が合併しています。筋症状もなく、間質性肺炎もあまり急ぐ感じではないことから、直ちにPSLなど投与はせず、腎生検を行いました。結果、膜性腎症によるネフローゼ症候群と診断されました。


筋炎、膜性腎症とくれば悪性腫瘍の合併ですが、スクリーニングにては腫瘍は発見されませんでした。


生検結果が出るまでの経過で、腎障害、筋原性酵素が自然軽快してきたこともあり、肺病変も落ち着いていて、緑内障があったことからステロイド治療のリスクを勘案し、結局、ステロイド少量+CyAで治療を開始しました。その後も経過良好であり、ステロイドを漸減しています。


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posted by 長尾大志 at 20:11 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO
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