評価にしてもフィードバックは必要、とはよくいわれています。そりゃそうですね。でも、20代半ばのいい年こいた人が、「あなたの行動がこうだから直しなさいよ」といわれて、「はいそうですか」と直すのか、という話です。
ただでさえ、その年代の人たちは「ほめられて育った世代」今年の日本医事新報の正月号にも書きましたが、ここ1-2年で、学生さんのメンタリティはかなり変質してきているように思われます。
それで思うのが、個々の具体的な「行動」よりも、基本的メンタリティの方がずっと重要ではないか、ということ。それは「他人に対して誠意があるか」「勉強をし続ける覚悟があるか」みたいなことになるように思います。
でも25歳にもなったいい大人の、基本的なメンタリティなんて、どうやったら変わるのか。教育で変えられるのか。これのエビデンスもほしいところですが、もし変えられないとしたら、アドミッションポリシー(要は入試、選考の基準みたいなもの)はめちゃくちゃ大事ですよね。でも、これまではそれが全く以てないがしろにされてきたのです。まあそれでも何となく医者はできていたわけですが。
メンタリティができていれば、行動は後からついてくるもの。具体的な行動の方法論は、できた上級医の背中を見ればよい。患者さんとのやりとり。ちょっとしたひとことが患者さんにとってどれほど大きなことか。わかっている人なら、何度か見ればできるようになるはずなのです。
実際、現場で実習をやっていて、学生さんの心に訴えかけるのはそのあたりのことなのかなあと思いますし、現場でできるのはやはり見せることしかないと思うのです。でも、カリキュラムを決める方々には、よくわからない理論ではなく、現実を見て物事を決めて頂きたいと切に願います。
2017年08月13日
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