2017年09月27日

症例検討会BRONCHO20−3

身体所見で余り目立つものはない、ということですが、低酸素などバイタル異常があり、血液検査で炎症所見高値、まあ、肺炎があるのかなあ、という感じですかね。


胸部X線写真の所見、ECGモニターの金具が付いているのは残念ですが…それ以外では、ちょっと意外なことに…。


スライド74.JPG


右気胸がありましたね。ニボーもありますから、1週間前から悪化傾向のある呼吸困難はこれも一役買っていたのかもしれません。加えて、右下肺野には高吸収域がある。こちらは肺炎の可能性あり。それからPET所見もヒントになりますが、気管分岐部は開大しており、同部位のリンパ節腫大を疑います。


身体診察ではあまり有意な所見が得られなかったようですが、初診時には打診などもなされておらず、呼吸音の左右差も捉えられていなかった可能性があります…。



鑑別診断としてリンパ節が腫れる疾患+(閉塞性)肺炎+気胸、あるいは、リンパ増殖性疾患(+その肺病変、気胸)、というところが想定されます。リンパ節腫脹が気にはなりますが、活動性の感染症があっては検査も難しいでしょう。まずは、現在の症状が感染性のものかどうか、なのですが、前医で抗菌薬処方をされていたこともあり、喀痰グラム染色にて有意な菌は見えませんでした。


そこでひとまずエンピリックに肺炎として治療を開始しました。透析中でもあり、担当医はCTRX+CLDMを開始されています。細菌性肺炎とすればA-DROP 1点(SpO2の低下のみ)ですが、リンパ節腫脹の鑑別も進める必要があること、透析中であることなどから入院加療としています。


そうこうしているうちに、前医から胸部CTが送られてきました。


スライド75.JPG


スライド75.JPG


Q:所見はいかがでしょうか?


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posted by 長尾大志 at 20:36 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO
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