2017年10月18日

症例検討会BRONCHO21−4

胸水があるぞ、となったら、まずは両側性か片側性かを確認します。両側だったら両側にあっても、ずいぶん量が違うものは片側性の要素あり、と一応考えます。


両側同じような量の水があるときは、明らかに漏出性胸水の原因となる病態があるかどうかを検討します。例えば、


  • 心不全

  • 低アルブミン血症

  • 透析中の溢水



など。基礎にこういう病態があれば、例えば心不全なら、利尿薬など、基礎病態への治療を行います。それで反応があれば、まずはそれによる胸水、と考えてよいでしょう。これが、そもそも抜かなくてもある程度病態がわかる、ということです。


もちろん片側性の胸水を来す病態にこういう病態が合併している、ということもありえます。ですから、治療をしても胸水コントロールが芳しくないときなど、積極的にサンプルを採取する姿勢は大事だと思います。



で、穿刺で得られた胸水で、調べる項目は何か。要するに、胸水の原因を鑑別するために使われる項目は何か、ということです。漏出性胸水と滲出性胸水を大まかに分別し、疾患特異的な情報を得るために使われる項目としては…


  • 蛋白

  • LDH

  • pH・糖

  • 細胞分画

  • 培養

  • 細胞診



があります。有名なLightの基準は、蛋白とLDHが濃いと滲出性胸水と考える、というもので、この2項目は胸水を評価する上で必須の項目です。


蛋白とLDH 以外は、Lightの基準で滲出性となったときに、それ以上の鑑別に必要となる項目です。


pHが<7.2に低下、かつ糖<60mg/dLとなっていると膿胸を疑い、即刻ドレナージの対象となります。つまりこれらは治療方針を決める根拠となります。


細胞分画は滲出性の原因疾患を考える上で大切な項目です。おおざっぱに言って、好中球中心であれば細菌感染を、リンパ球主体であれば抗酸菌感染、または腫瘍性疾患を疑います。好酸球が多いときには好酸球増多疾患、または気胸や血胸の影響が考えられます。


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posted by 長尾大志 at 17:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO
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