2017年10月19日

症例検討会BRONCHO21−5

細胞分画である程度アタリが付いたら、可能性の高い細菌感染、抗酸菌感染、腫瘍性疾患を診断するための材料である培養と細胞診の結果を待ちます。もちろん細菌感染が疑われる症状(発熱、胸膜痛、咳、膿性痰など)があり、好中球優位の胸水であれば、抗菌薬治療を開始しましょう。


それ以外に胸水で測定される項目としては、以下のようなものがありますが、感度や特異度の点から、盲信すべきではなく、あくまで参考所見と考えておきましょう。


  • ADA:40〜50IU/L以上で結核性胸膜炎を示唆しますが、膿胸やリウマチなど他疾患でも上昇します。

  • 腫瘍マーカー:CEA(肺癌)、CA-125(卵巣癌)の上昇が見られることがありますが、カットオフ値などのエビデンスはハッキリしません。

  • ヒアルロン酸:悪性胸膜中皮腫で100μg/mL以上とされることが多いですが、もっと低値のことも少なくありません。100μg/mL を超えていれば強く疑う、という感じです。



乳び胸の診断に中性脂肪やコレステロール、膵性胸水の診断にアミラーゼを測定することもありますが、これらは比較的まれであり、病歴や他の症状から疑われるときに測定、ということでいいと思います。


細胞診や培養検査でハッキリした診断に至らない場合には、胸腔鏡下で観察や生検を行います。昨今では内科でも積極的に局所麻酔下で胸腔鏡検査を行って(ウチでもやって)います。


本症例は、胸水検査の結果、リンパ球優位の細胞分画、胸水細胞診でclassX(小細胞癌)、その他画像所見から、進展型肺小細胞癌(cT1bN0M1a stageW)と診断されました。


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 15:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO
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