2017年10月23日

症例検討会BRONCHO21−7

胸水は滲出性で、分画のほとんどがリンパ球でした。ADAも大変高く、これらからは結核性胸膜炎、というキーワードが出てくると思います。これだけで結核治療を開始するよ、という方もおられるかも知れません。しかしT-SPOT陰性。これをどう考えるか。


1ついえることは、「余計な検査は時に足を引っ張る」。


T-SPOTは出た当初、感度も特異度もスゲー、という触れ込みでしたが、その後の報告においては感度80%、特異度60%程度とされていて、これでは診断の参考程度にしかなりません。
Interferon-γ release assays for the diagnosis of active tuberculosis:a systematic review and meta-analysis.Sester Mら Eur Respir J.2011 Jan;3(1):100-11.


そんな検査しなきゃいいのに、とも思いますが、若い先生方には大人気です。カンファレンスでも必ず出てきます。で、迷いが深まっていく…。


以前でしたら、リンパ球優位でADA高値の胸水症例を見たら、抗結核治療を開始して、反応を見て、効いていたら「結核でいいよね」、診断的治療をしていたりもしました。結核性胸膜炎の患者さんが多かった頃はそれでもよかったのだと思います。


でも結核の頻度が低下し、肺癌やその他の疾患が増えてきたこともあり、できればもう少し確実に診断する方法がないものか。胸水中に結核菌を(PCRや培養で)検出することも少ないし…。


ということでCope針を用いた(盲目的な)胸膜生検が行われたりもしていましたが、最近では胸腔鏡を用いて胸腔内を観察し、直視下で生検をすることが増えています。局所麻酔下で行う手技が普及し、内科医でも施行出来るようになって、どんどん行われていると思います。ウチでも積極的にやっています。


ということで、胸腔鏡検査を行いました。


胸膜生検を行い、検体塗抹にてガフキー5号相当の菌を認め、Tb-PCR(+)も確認しました。また病理学的所見として、類上皮肉芽腫の形成を認めました。中心部に小さな壊死の見られる肉芽腫もあり、多核細胞も散見されます。


ということで、結核性胸膜炎と診断しました。


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posted by 長尾大志 at 18:22 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO
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