2017年10月31日

症例検討会BRONCHO22−2

胸部X線写真で異常、といわれてんねんから早く見せろや!(なぜか関西弁)との声もなく?まずは病歴などから鑑別診断を考えてみましょう。


咳が出だしたのは3年前、そして半年前から咳が強くなって食思不振にもなり、半年で11kgもの体重減少があったといいます。かな〜り慢性の経過の、でも咳があり、cracklesも少し聴こえる肺の病変、ということになります。


基礎には糖尿病があり、喫煙歴は(少なくとも直接は)ない。それでも慢性経過の体重減少、というところだけをみると、肺癌の存在はあるかもしれません。


でも、肺癌でcracklesというのも…?胸水や無気肺があるんだったら、得られる所見は片側性の呼吸音減弱じゃないですかね?


とすると、fineとcoarseの違いはあれど、肺線維症とかそっち系か。はたまた、感染症であれば膿瘍とか抗酸菌とか、ゆっくり経過するものを考える必要があります。


というところで検査所見を。


<入院時検査所見>
HT (% ) 33.1 L
HB (g/dl ) 10.7 L
RBC (1000000 ) 4.18
WBC (1000 ) 7.4
PLTS (1000 ) 319

SEG/NEUT (% ) 70.2
EOSIN (% ) 1.1
BASO (% ) 0.7
LYMPH (% ) 19.1
MONO (% ) 8.9
MCV (μ3 ) 79 L
MCH (pg ) 25.6 L
MCHC (% ) 32.3

TP (g/dl ) 7.1
ALB (g/dl ) 3.0 L
AST (U/l ) 15
ALT (U/l ) 8
LDH (U/l ) 204
ALP (U/l ) 424 H
G-GTP (U/l ) 11
CHE (U/l ) 198 L
T-BIL (mg/dl ) 0.42

NA (mmol/l) 139
CL (mmol/l) 95 L
K (mmol/l) 3.2 L
CA (mg/dl ) 8.7
P (mg/dl ) 3.3

UN (mg/dl ) 11.8
CRE (mg/dl ) 0.62
eGFR ( ) 69.5
UA (mg/dl ) 4.5

CRP (mg/dl ) 1.04 H


GLU (mg/dl ) 293 H
A1C(NGSP (% ) 8.4 H
IRI (μU/ml ) 7.5
CPR (ng/ml ) 2.26



<胸部Xp>


スライド95.JPG


<CT>


スライド96.JPG


スライド97.JPG



Q:検査所見の解釈は?鑑別診断は?次に行うべきことは?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 17:35 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO
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