2018年01月15日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには1

またも少し寄り道になりますが、ちょっと別のお仕事の関係で、慢性咳嗽を診断するにあたっての、胸部画像検査と呼吸機能検査の使いようを考えてみなくてはなりません。

まず、慢性咳嗽、といいますか、慢性に咳が出る疾患の原因となる疾患、これを列挙してみますと…

  • *咳喘息(アトピー咳嗽)

  • 後鼻漏・副鼻腔炎・副鼻腔気管支症候群

  • COPD

  • 心不全

  • *百日咳・マイコプラズマ感染症(感染後咳嗽)

  • *胃食道逆流症

  • *薬剤・誤嚥

  • 肺癌・間質性肺炎

  • 肺結核・非結核性抗酸菌症

  • *心因性・習慣性咳嗽


あたりでしょう。

このうち、*のついた疾患は、胸部画像上も呼吸機能も異常が見られません。この「異常が見られない」ということを確認するのも重要なことではありますので、まずはそこから考えましょう。

まず胸部X線写真では、異常が見られないとは…

  • 胸郭の左右バランスに偏りがない

  • 横隔膜が適正な位置(右横隔膜で第9〜10肋間と鎖骨中線で交差)にある

  • 肺野の左右を比較しても濃度差がない

  • 正常で見られる線がクッキリハッキリ見られる

  • 毛髪線は儚く、見えるか見えないか

  • 肋横角は鋭

  • 縦隔、肺門リンパ節の腫脹が見られない

  • 気管〜気管分岐部〜左右主気管支あたりが追える


あたりでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:42 | Comment(0) | 胸部X線道場
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