まず、慢性咳嗽、といいますか、慢性に咳が出る疾患の原因となる疾患、これを列挙してみますと…
- *咳喘息(アトピー咳嗽)
- 後鼻漏・副鼻腔炎・副鼻腔気管支症候群
- COPD
- 心不全
- *百日咳・マイコプラズマ感染症(感染後咳嗽)
- *胃食道逆流症
- *薬剤・誤嚥
- 肺癌・間質性肺炎
- 肺結核・非結核性抗酸菌症
- *心因性・習慣性咳嗽
あたりでしょう。
このうち、*のついた疾患は、胸部画像上も呼吸機能も異常が見られません。この「異常が見られない」ということを確認するのも重要なことではありますので、まずはそこから考えましょう。
まず胸部X線写真では、異常が見られないとは…
- 胸郭の左右バランスに偏りがない
- 横隔膜が適正な位置(右横隔膜で第9〜10肋間と鎖骨中線で交差)にある
- 肺野の左右を比較しても濃度差がない
- 正常で見られる線がクッキリハッキリ見られる
- 毛髪線は儚く、見えるか見えないか
- 肋横角は鋭
- 縦隔、肺門リンパ節の腫脹が見られない
- 気管〜気管分岐部〜左右主気管支あたりが追える
あたりでしょうか。