2018年01月17日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには3

フローボリューム曲線の終わり、つまり呼気の最後の方の流速は、末梢気道の抵抗というか、通りやすさを表します。つまり、下に凸≒呼気週末の流速が低くなっている、という状態は末梢気道に何か閉塞性の病変が存在することを意味するのです。

スライド2.JPG

そもそもフローボリューム曲線は、思いっきり息を吐いたときの、肺に息がどれだけ残っているか、が横軸、その時の呼気流速が縦軸、で書いたグラフです。ですから曲線の一番左が吐き始めの(肺にいっぱい空気が入っている)流速、一番右が吐き終わりの流速(≒0)です。

スライド3.JPG

で、残りの肺気量(肺に入っている空気の量)が、いっぱい(100%)の50%のときの流速、これをV50(Vの上に・[ドット]がつき、50は下付き|ブイドットフィフティー、ブイドットごじゅう)と呼びます。

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同様に、残りの肺気量が、いっぱいの25%のときの流速、これをV25(Vの上に・[ドット]がつき、25は下付き|ブイドットトゥエンティーファイブ、ブイドットにじゅうご)と呼ぶのです。

スライド5.JPG

V50やV25が意味するものは、フローボリューム曲線の下に凸具合です。下に凸ということはV25が下がる、ということです。

スライド6.JPG

1つの指標として、V50/V25の比が増加(4以上)する、すなわち、より末梢気道病態を反映するV25がV50よりも低下する、ということを末梢気道気流制限の早期診断指標にすることもあります。

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この記事へのコメント
前回は、肺気腫の進行についてご解答いただきまして、ありがとうございました。

今回は、低用量アスピリン治療についてお聞きしてよろしいでしょうか。

実は、私はCOPDではないものの、肺気腫があるようなのです。

3年ほど前からスパイロメトリーの検査を受けています。 

その時の体調で一秒量に変動はありましたが、変動はあってもフローボリューム曲線の形状に変わりはありませんでした。

ある時、たまたま見つけた低用量アスピリン治療と肺気腫の関係を示した論文を見て、アスピリンを週に3回〜4回服用するようになりました。

バイアスピリンを数ヶ月服用した後、検査を受けたのですが、その結果は目を疑うほどのもので、一秒量が増えただけではなくフローボリューム曲線の形状も正常な人のものと近いものになっていました。

こちらに、私の肺機能検査報告書があります
http://jp-copd.seesaa.net/category/27255758-1.html

先生は、この結果は、アスピリンの効果があったと考えてよいと思われますでしょうか。

お忙しいところ、何度も申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。


Posted by Dean at 2019年04月01日 18:59
私には判断致しかねます。現状、保険で認められている治療とは違いますので、明らかに効果があった、とお考えでしたら、症例報告として発表されると、多くの助言やご意見が頂けるかと思います。
Posted by 長尾大志 at 2019年04月03日 18:31
お忙しところ、お返事を頂きありがとうございました。

助言を頂ける方法まで教えて頂きありがとうございます。 しかし、私は医療関係者ではありませんので、この方法は無理かと思っております。

しかし、本当に効くなら他の方にも教えてあげたいと思っています

ありがとうございました。
Posted by Dean at 2019年04月04日 20:11
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