4月27日の第58回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表にて、「教育・終末期医療他」セッションの座長を務めることとなりました。よろしければ予習にお付き合いいただけると幸いです。
■ 呼吸器疾患患者における呼吸困難の評価
概要
呼吸器疾患患者45例に、 NRS、mMRC、Cancer Dyspnea Scale(CDS)を用いて呼吸困難を評価し、症状の質や評価法による相違を検討した。
年齢中央値は67歳、男性が76%、基礎疾患は悪性腫瘍が51%、間質性肺炎が33%で、7%に呼吸不全が見られた。呼吸困難は67%に認められ、安静時 NRS では症状のない30例のうち、mMRCでは3.3%、CDSでは55.6%が呼吸困難を示した。
疾患別では明らかな特徴は見られなかった。CDS の内訳は、呼吸努力感29%、呼吸不快感4%、呼吸努力感と不快感46%、呼吸努力感と不安感7%、呼吸努力感と不快感と不安感 14%と、患者ごとに呼吸困難の質は多様であった。
呼吸困難を有する症例で、症状に対して治療が行われたのは27%のみであった。
呼吸困難は多様であり、複数の評価を用いることで多くの有症状患者をスクリーニングすることができる。一方、症状に対する治療介入は少なく、呼吸困難の質に応じた適切な治療法を含めて検討の余地があると考えられる。
所感
評価法によって、異なる項目をみているため、当然、ずいぶんと結果が異なるものになります。そもそも評価法の目的とする疾患が異なりますし、量的評価か質的評価かも異なるものを比較することにどのような意味があるのか、考察に注目です。単一の疾患でまとめられる方がわかりやすかったかもしれません。
2018年04月10日
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