しばらくこちらで学会予習をしているウラで、書籍やら講演スライドやら各種問題作成やらで実はてんてこ舞いでした。各種問題はこちらで公に出来ませんからねー。
それらもだいぶ終えまして、これからはまた「酸素」「低酸素」系のお仕事です。
以前、メディカ出版さんの雑誌『呼吸器ケア』で、『素朴なQ にカンペキA! 長尾先生のやさしイイ 気胸・胸水・胸腔ドレナージ』という巻頭特集をお任せ頂いたことがありました。
その時のQ&Aは、今でも名作と思っていますが、ずいぶん前に雑誌は売り切れて手に入らないようです。残念……それはさておき、次は酸素にまつわるQ&Aを考えてみよう、というわけです。いろいろとこれまでに頂いたご質問にお答えして参りますよ。これからご質問を頂いても、もちろんOKです。酸素にまつわるご質問がありましたら、コメント欄にどうぞ。
Q:療養型の老人病院です。SpO2が低下なくても呼吸状態や末梢チアノーゼなどにより、酸素吸入を行う時もあるのですが、O2 3L以上はめったに流していません。O2吸入、使用の目安、流量について教えて下さい。
A:いきなり核心に迫るご質問ですね(笑)。まずは、O2吸入、使用の目安、流量について、ということですが、それだと全部になってしまう(汗)ので、あくまで一般論としてのO2投与の目安をお答えします。
でも実際、療養型などで、検査なんかもなかなか難しい、アセスメントも出来ない、でもなんか苦しそう、チアノーゼがある、とかで「酸素でもいっといて」みたいな場面、意外にあるのではないでしょうか。実はこういうご質問、結構頂くのですね。
一般論としては、経鼻カニューレで流すようなローフローシステムの酸素であれば、少なくとも(酸素中毒など)害になることは少ないと考えられます。ですから、SpO2 が低下している、特に90%を下回っている、というとき、頻呼吸で苦しそうなとき、チアノーゼが見られるときなど、2~3L/分投与してみて様子を見る、みたいな感じでされていることが多いようです。
また、基礎にCOPDがある、慢性にU型呼吸不全がある、などの場合、CO2ナルコーシスの危険があり、過量のO2投与は勧められません。そういう場合には経鼻カニューレでも0.25Lとか0.5L、みたいに少量からの投与が望ましいでしょう。
ナースのための呼吸器道場
2018年04月25日
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