2018年05月11日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問11・ハイフローセラピー1

Q:ハイフローセラピーの設定基準を教えてください。

・ハイフローセラピー使用時の指示で、リットル数は固定でFIO2を上げ下げする指示なのはなぜですか。

・ハイフローセラピーでは、とにかく酸素をたくさん流すということは理解できました。しかし、実際FIO2は自由に設定可能である理由が理解できていません。もう一度教えていただけるとありがたいです。

A:ハイフローセラピーにもいくつかの器具がありまして、各々説明書に従って使って頂きたいのです。というのも器具によって方式が異なり、一概にこう使う、とはいえないからです。

スライド2.JPG

原理としては図の通りです。酸素が流れてくる配管と、空気が流れてくる配管を、一定の割合で混ぜ合わせて、FIO2と流量が定まった混合気をジャーッと流すわけです。でもこの「混ぜ合わせるやつ」がこんなに簡単ではない。コストの問題もあり、通常は…

スライド3.JPG

みたいな方式が多いです。混ぜ合わせるやつ(ブレンダー)で混ぜる割合、すなわちFIO2を決め、流量計でフロー(L)を決める、みたいな感じですね。

リットル数は空気の流速=フローで、これはあまり上げ下げしません。通常は30L/分を超えるように設定します。上げるといわゆるPEEP(効果)がかかりますが、上げすぎると不快に感じることがあります。

大事なのはFIO2で、これをキッチリ決めます。逆に、これは自由に決められるのです。患者さんの状態が良くなったら下げますし、悪くなったら上げます。通常はSpO2を確認しながら上げ下げ、ということになるでしょう。

フローとFIO2を混同するとわけがわからなくなりますから、しっかり確認してください。

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posted by 長尾大志 at 18:50 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場
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