2018年05月14日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問12・ハイフローセラピー2

Q:ハイフローセラピーが導入になり2年ぐらいです。心臓血管外科の術後で使用しています。使用上の管理で重要点があればご指導ください。

・ハイフローセラピーシステム使用中の患者の合併症や、注意して観察することを知りたい。

A:ハイフローシステム、といっても、酸素を投与する形態が異なるだけで、他の酸素投与法と本質的には同じことです。ですから、注意点などもおおよそ同じですが…。

ハイフローのメリット、の裏返しで、圧が多少かかってしまう。まあ、それほど高いPEEPがかかるわけではありませんが、血行動態が不安定、とか、血圧が低い、とかいう場合には、血圧の変化に注意しておきましょう。

それと、FIO2が100%近くになる、圧が高くなる、ということで、酸素毒性を考えに入れる必要がありそうです。

挿管人工呼吸管理だと一応の目安として、FIO2が60%以上になる時間をなるべく短く…24時間以内で…みたいなことがいわれたりもしています。

ローフローシステムによる酸素投与が主流の時はFIO2も圧も高くなりませんでしたので、ほとんどそういうことは考えなくても良かったのですが、おそらくハイフローシステムだと(まだ確たるエビデンスはありませんが…)FIO2もフローも上げすぎない方がいいでしょう。

具体的には、SpO2が100%になってしまうのではなく、93〜98%あたりになるよう調節するのがいいでしょう。フローは30-40L程度で、FIO2が狙い目に入るよう調節する感じになると思います。

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posted by 長尾大志 at 20:52 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場
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