……何が誤解なの?100%で設定してますよ…と思われた方、ヤバいです。
ハイフローの最初の説明でも書きましたが、ネブライザー式酸素吸入器(いわゆるインスピロン)のような旧来からあるハイフローシステムは、15L/分までしか酸素が流れない流量計を使って、デバイスの工夫によって、酸素と空気の混合気を30L/分の流量で流すことが出来るようにしたものです。
もう、こう書いている時点で、酸素の割合は半分ですよね。30L/分の混合気のうち、酸素は15L/分ですから。FIO2が100%なんて、なるわけない。
「でも、100%って、ダイヤルに書いてあるもん!」という反論もあるかもしれませんが、今一度、よーくダイヤルをご覧ください。そして、説明書もしくは、お手元にある「ネブライザー設定早見表」をご覧ください。
まず現物、ダイヤルを確認します。
(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)
ダイヤルを拡大してみましょう。
(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)
35、40、50、70、100と書いてありますね。「ほら100%!いつもここに合わしてるから!」…落ち着いて、よーく字の大きさを見てください…70と100、字が小さくないですか?
これは、70と100にあわせても、期待する流量、流れませんよ、という意味です。
それでは、ネブライザー設定早見表をご覧ください。「ウチにはそんなものありません。見てません!」という方は、下の表ですので、こちらをご覧ください。
(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)
この表は、「酸素流量」(横軸)とダイヤルの酸素%(縦軸)を決めると、その時に流れるトータルの流量(フロー)がわかる、という表です。
この表の使い方は、FIO2を設定するときに、O2を何L/分流せば、トータルが30L/分以上になるかを見るわけです。わかりやすく、30L/分以上になるところは黄色になっています。
例えば、FIO2を35%に合わせるときは…
(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)
O2を6L/分以上流せば、30L/分を超えます。なので6L/分流します。
同様に、FIO2を40%に合わせるならば
(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)
O2は8L/分。
FIO2が50%なら、
(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)
O2を12L/分流すといいことがわかります。
では、FIO2を70%に合わすと、どうなるか…。表をいくら見ても、70%に合わせたときに30L/分以上のフローになるところ(黄色欄)はありませんね。
ですからこのシステム、FIO2が70%では使えない、ということなのです。じゃあ、なんでこんな数字をつけてるの?疑問ですね。
…盛り上がって参りましたが、これからまもなく東京に出発します。明日の「急性期・術後の呼吸器ケア」セミナーにご参加の皆さん、よろしくお願いいたします。
ナースのための呼吸器道場

