2018年06月28日

成人肺炎診療ガイドライン2017解説1・ガイドラインの変遷

昨年(2017年)成人肺炎の診療ガイドラインが新しくなり、『成人肺炎診療ガイドライン2017』として発行されました。少しそれについて改めて振り返っておきましょう。

『成人肺炎診療ガイドライン2017』は、これまでにあった「市中肺炎(2005)」「院内肺炎(2008)」「医療・介護関連肺炎(2011)」という、発症の場ごとのガイドラインを1冊にまとめ、そして各々の場における新しいエビデンスを取り入れたものですが、それだけでは、あまり目新しいものではありません。

今回新しいこととして、終末期の肺炎に踏み込んで、治療方針などに言及された点が挙げられます。医療・介護関連肺炎診療ガイドラインで初めて取り上げられた「患者がいかなる治療区分に該当するかの判断は、患者個々の病態、背景、家族関係などをよく知る主治医の判断に委ねる」「長期的には改善が得られない症例に対する医療の継続に関しては、現在も議論の決着がついていない」という記載から、「終末期医療における肺炎では、個人の意思によっては必ずしも科学的なエビデンスに基づいた強力な治療を行わないという選択肢もある」という記載になってきました。

これまで臨床の現場では、何となく?行われてきたことにガイドラインがはっきりと道筋を付けた、ということで、現場の先生方は歓迎されているかと思います。

それに関連して、なのですが、そういう疾患の末期や老衰といった、終末期の症例が含まれる「院内肺炎」と「医療・介護関連肺炎」は1つの診療群とし、「市中肺炎」と分けて診療のプロセスを示すようになりました。折角分けたものがまた1つになったわけで、なんだかな〜という感じです。

まあ、医療・介護関連肺炎を分けてみたものの海外の医療施設との定義というか分類の地域差、文化差を合わせられずに、論文を出すにしても統計を出すにしても海外から見て「なんやねんそれ」状態であったのかもしれません。むしろこのシンプル化は、現場の人間としては歓迎すべきですね。

で、「院内肺炎」と「医療・介護関連肺炎」の症例では、最初に終末期であるかどうかを判断し、濃厚な治療をするべきかどうかを決めましょう、ということになっているのです。

肺炎ガイドライン解説

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posted by 長尾大志 at 18:30 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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