2018年07月09日

成人肺炎診療ガイドライン2017解説8・市中肺炎7・外来治療2・注射薬

■ 外来治療・注射薬

外来で、注射薬で治療しよう、ということになりますと、さすがに1日に何回も注射しに来院して頂く、というのは現実的ではありませんから、1日1回投与である抗菌薬を選択するのが原則となるでしょう。

かつては1日複数回投与が原則の(=1回投与した後、抗菌効果が素早く失われてしまう)、ペニシリンや普通のセフェム系薬を1回だけ注射して帰宅させる、ということが一般的に行われていましたが、もはやそういうことはいたしません。1日1回使用に根拠のある抗菌薬を使いましょう。

ガイドラインで挙がっているのは、1日1回投与薬である、

  • セフトリアキソン

  • レボフロキサシン

  • アジスロマイシン


です。

セフトリアキソンはセフェム系ながら血中半減期が長く、しかもBLNARにも効果があるため、市中細菌性肺炎にはなかなか強いです。ですが、逆に言うと、これに耐性がついてしまうとなかなか苦しいですし、一部嫌気性菌には弱い面もあります。ですから、決して何でもかんでも使うのではなく、BLNARの多い地域でH.influenzaeが疑われるような状況(喫煙者、COPD、比較的地味な発症など)に限って使いたいところです。

レボフロキサシン(キノロン系)やアジスロマイシン(マクロライド系)は、その特性上1回投与あたりの濃度を高くする(=1回投与量を増やす)ことが効果につながります。そのため1日1回投与になっておりますので、外来治療に適してはいるわけですが、こちらの系統は非定型肺炎を疑うときにお使い頂きたい、ということは既に申し上げているとおりです。

特にキノロン系は、非定型肺炎にも細菌性肺炎にも、ある程度効きますので、「何も考えたくない!」という方には大変向いているのですが、何も考えずに肺炎治療をするのはできれば避けて頂きたい、と念願するものであります。

マクロライド系は、マイコプラズマを疑うときに使うことになりますが、点滴が必要な状態であれば普通は入院でしょうし、あまり、「外来で、点滴で、アジスロマイシン」というシチュエーションはないように思います。

肺炎ガイドライン解説

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posted by 長尾大志 at 20:13 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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