重症肺炎時にはサイトカインストーム(過剰な炎症によってサイトカインの嵐が吹き荒れる)が生じて肺胞上皮や肺毛細血管内皮の障害を来す、ということから、「炎症を抑える」ことを意識した補助療法が試みられてきました。
1つはマクロライド系薬で、集中治療室入室(つまり最重症)症例における選択肢の一つとして、「マクロライド併用療法」という形で反映されています。
もう1つはステロイド薬で、免疫力を低下させる懸念からこれまでにも議論の的になってきました。システマティックレビューのまとめによれば、
- 生命予後に影響しない
- 肺炎の治癒率を変えない
- 重篤な副作用は増加しない
- 入院期間が約1日短縮
- 医療費や耐性菌の発生などは評価不能
であり、重症市中肺炎においては、弱く推奨する、ということになるようです。
肺炎ガイドライン解説