2018年07月24日

成人肺炎診療ガイドライン2017解説16・市中肺炎15・抗菌薬治療が無効の時2

抗菌薬が無効の時、感染性の病態を整理するために、細菌側の要因、宿主側の要因、薬剤側・医療側の要因に分けて考えます。

細菌(病原体)側の要因
  • 抗菌薬がカバーしていないような病原体|ウイルス、真菌、抗酸菌

  • 非定型病原体|マイコプラズマ、レジオネラ、クラミジア

  • 抗菌薬への耐性菌|MRSA、PRSP、BLNAR、緑膿菌、ESBL産生菌

  • 改善に時間のかかる病原体|ノカルジア、放線菌

  • 日和見病原体等による入院後の二次感染

  • 重症感染症による急速な病状の悪化|敗血症性ショックや劇症型肺炎



宿主(人間)側の問題
  • 抗菌薬移行不良な病巣の形成|膿胸、肺膿瘍、ブラ内感染

  • 肺外感染巣の形成|心内膜炎、骨関節炎、カテーテル感染、脳髄膜炎

  • 気道ドレナージの障害|中枢型肺癌、気道異物、反復性の誤嚥、去痰不全、慢性呼吸器疾患(気管支拡張症、副鼻腔気管支症候群)

  • 基礎疾患による全身免疫機能の低下|HIV感染症、免疫抑制薬投与、血液系悪性腫瘍

  • 医療機関受診の遅れによる重症化



薬剤側・医療側の要因
  • 抗菌薬の不適切投与|投与量不足、投与経路や回数が不適切

  • 治療介入開始の遅れによる重症化

  • 抗菌薬に由来する有害事象|薬剤熱


このうち少しの努力で克服できるのは、抗菌薬の不適切投与です。いまだに投与量が足りない、という現場を見かけます…喝!(?)

それと当初効いていたのに、途中から熱が出た、抗菌薬変更!!…というときに、思い出して頂きたいのが「薬剤熱」。当初効いていたのであれば通常、そのイベントは制御できているはずで、抗菌薬変更が必要、という場面は多くありません。比較的徐脈、比較的元気、比較的CRP低値の「比較3原則」を参考に、薬剤熱を正しく疑いましょう。

肺炎ガイドライン解説

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posted by 長尾大志 at 19:14 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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