2018年07月31日

成人肺炎診療ガイドライン2017解説21・院内肺炎/医療・介護関連肺炎5・エンピリック治療2

■ 重症度が高い、または耐性菌リスクが高い場合 de-escalation単剤治療

医療・介護関連肺炎の場合、敗血症がある、または、A-DROPが3項目以上(重症度が高い)、もしくは耐性菌リスク因子が2項目以上の症例。

院内肺炎の場合、敗血症がある、またはI-ROADで2項目以下かつ肺炎重症度規定因子が該当する中等症以上群と考えられる、あるいはI-ROADで3項目以上、もしくは耐性菌リスク因子が2項目以上の症例が当てはまります。

重症度が高い、すなわち治療失敗が許されないが耐性菌のリスクは少ない、または重症ではないけれども耐性の恐れが強い、そういう群には初期治療から耐性菌(MRSA、緑膿菌、ESBL産生腸内細菌など)をある程度カバーする必要があります。→de-escalation単剤治療

単剤治療に選択するのはβラクタム系抗菌薬としてペニシリン系薬(タゾバクタム・ピペラシリン)もしくは第4世代セフェム系薬、それからカルバペネム系薬、ニューキノロン系薬いずれかの単剤を用います。


■ 重症度が高い、かつ、耐性菌リスクが高い場合 de-escalation多剤治療

医療・介護関連肺炎の場合、敗血症がある、または、A-DROPが3項目以上(重症度が高い)、かつ耐性菌リスク因子が2項目以上の症例。

院内肺炎の場合、敗血症がある、またはI-ROADで2項目以下かつ肺炎重症度規定因子が該当する中等症以上群と考えられる、あるいはI-ROADで3項目以上、そしてかつ耐性菌リスク因子が2項目以上の症例です。ああややこしい。フローチャートがいるかなあ…。

敗血症がある(もしくは重症で)、かつ耐性菌のリスクが高いと判断された群は、よりリスクが高い、これはもう治療を失敗するわけにはいかない。初期治療で勝負をつけなくてはならない。そういう群では広域抗菌薬をさらに併用して治療をします。→de-escalation多剤治療

多剤の場合はペニシリン系薬、第4世代セフェム系薬、カルバペネム系薬をベースにしてニューキノロン系薬、またはアミノグリコシド系薬を併用する、というやり方が勧められています。

個人的には、より緑膿菌の存在を疑う場面(これまでに痰で検出、広域抗菌薬使用歴など)ではアミノグリコシド系、レジオネラを疑うような高齢者施設での集団感染とか温泉や浴場などで発生した、などの場合にはニューキノロン系薬を優先的に選択するかなあ、という感じです。

肺炎ガイドライン解説

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posted by 長尾大志 at 19:07 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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