以前のように、痰からMRSAが出たら何でもかんでもMRSA肺炎、ということにはなりませんが、治療失敗ができない、かつ、MRSAがいることが想定される場面においては、MRSAも含めた治療選択が必要になることもあるわけです。
その場面とは、
- 以前にMRSAが分離されたことがある
- 過去90日以内に経静脈的抗菌薬の使用歴がある
いずれかの場合です。その際にはMRSA感染のリスクが高い、という風に判断して抗 MRSA 薬(リネゾリド・バンコマイシン・テイコプラニン・アルベカシン、特に前の3つ)を併用します。
この「過去90日以内に経静脈的抗菌薬の使用歴がある」というのは、耐性菌のリスク因子でも出てきた項目なのですが、特にこれを満たしたら、他の耐性菌に加えてMRSAへのリスクが高いと判断します。
肺炎ガイドライン解説