外来でこの手の菌による肺炎を治療する、ということはあまりなさそうですが…。クレブシエラ属で問題になる耐性といえばESBL産生菌ですが、その比率はそれほど多くありません(1〜数%)。ただ、ESBL産生株の多くはキノロン耐性も同時に有していますので、抗菌薬選択の際には注意が必要です。できれば分離菌のその施設における薬剤感受性を確認して、薬剤を選択するのが望ましいかと思われます
一応、一般論として、外来治療(経口薬)では、
- 第1選択薬|βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬(スルタミシリン、アモキシシリンクラブラン酸)
- 第2選択薬|レスピラトリーキノロン、クレブシエラっぽくて、そこそこ重症で、どうしてもでも外来で、内服薬で、とかいう場合があるかどうかわかりませんが、そういう場合でしょうか。
入院治療の場合注射薬を選択します。
- 第1選択薬|第2世代および第3世代のセフェム系薬(セフォチアム、セフトリアキソン、セフォタキシム)、それから毎度おなじみスルバクタム・アンピシリンです。陰性桿菌、腸内細菌、となると、一応順番的にセフェムが優先される感じです。
- 第2選択薬|タゾバクタム・ピペラシリン。ここでいるかねとも思いますが…。
- 第3選択薬|ニューキノロン系薬。
ESBL産生株であれば、どれも無効ですのでカルバペネム系を使うことになります。
肺炎ガイドライン解説