2018年08月24日

肺癌診療ガイドライン2017年版解説5・非小細胞肺癌治療の流れ3・W期扁平上皮癌・非扁平上皮癌の2次治療以降

2次治療以降の原則は、1次治療(やそれまでの治療)と系統を替える、ということです。ですから、1次治療で遺伝子変異や転座があり、その阻害薬を使ったケースや、免疫チェックポイント阻害薬を使ったケースでは、2次治療は細胞障害性抗癌剤を使うのが基本ですが、いくつかの場合では阻害薬⇒阻害薬、という流れの治療も行われます。

細胞障害性抗癌剤の中では、2次治療以降に有効性が確認されているのがドセタキセル(+ラムシルマブ)、ペメトレキセド単剤、S-1単剤です。

ラムシルマブはベバシズマブ同様のVEGF阻害薬で、血管新生を抑制します。ドセタキセルに併用が推奨されるのは、これまたベバシズマブ同様、75歳未満、PS0-1の症例です

3次治療以降にもなると、エビデンスはますます乏しいものですが、1次治療が何であっても(遺伝子異常やPD-L1の値に関わらず)、免疫チェックポイント阻害薬を使ってみてもよい、とされています。

今のところ、PD-L1をもってしても免疫チェックポイント阻害薬の効果を完全に予測できるものではなく、実際問題使ってみないと効果のほどがわからないところもあるので、非小細胞肺癌治療の流れの中で、属性にかかわらず一度はトライしてみても…ということかもしれません。医療費など、別の問題はありますが。

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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