2018年11月16日

インフルエンザの薬2

・抗インフルエンザ薬の種類と使い分け

2018年11月現在、抗インフルエンザ薬はノイラミニダーゼ阻害薬4剤、ザナミビル(リレンザレジスタードマーク)、オセルタミビル(タミフルレジスタードマーク)、ペラミビル(ラピアクタレジスタードマーク)、ラニラニビル(イナビルレジスタードマーク)、そして RNA ポリメラーゼ阻害薬ファビピラビル(アビガンレジスタードマーク:ただし重篤な副作用が懸念されることから限定的な承認となっていて、普段気楽に使える薬ではありません)、そして2018年春に新たに加わったキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬のバロキサビル マルボキシル(ゾフルーザレジスタードマーク)があります。普通に使えるのは5剤ということになります。

それ以外にM2阻害薬のアマンタジン(シンメトレルレジスタードマーク)もかつてはインフルエンザ治療薬として使われていましたが、もはや他の抗インフルエンザ薬選択肢がこれだけある状況では過去の薬といっていいでしょう。実際今となっては耐性も多く、使用は推奨されていません。

基本的にノイラミニダーゼ阻害薬の4剤、どう使い分けるか。

そもそもこれらの薬剤たちの効果自体、有症状期間を1日程度短縮する、というくらいのものです。4剤で解熱までの時間(期間)もほぼ変わらず、臨床効果的にあまり違いはないと考えていいでしょう。

大きな違いとしては剤形で、タミフルレジスタードマークは内服、イナビルレジスタードマークとリレンザレジスタードマークが吸入薬、ラピアクタレジスタードマークが点滴という違いになります。

イナビルレジスタードマークは一回吸入で投与が完了するという利便性と服薬アドヒアランス向上の点からよく使われているかと思います。またイナビルレジスタードマークとリレンザレジスタードマークは吸入薬で、吸入力が不足しているとうまく吸い込めませんから、高齢者や4歳以下の患者さんでは使うのが難しいところです。

ラピアクタレジスタードマークは点滴製剤であるがゆえに、外来患者さんだと長く(点滴する間)院内に留め置くことになり、感染対策上あまり好ましくありませんから、基本入院を必要とするような重症例や内服も吸入も難しい患者さんに限られるように思います。

ゾフルーザレジスタードマークはインフルエンザウイルスのメッセンジャー RNA 合成を阻害するという、新しい作用機序を持ちます。1回の経口投与でいいとか、より早いウイルス力価の低下が見られるとか、メリットを喧伝されてかなり使われているようですが、症状消失には差がなく、臨床上明らかにメリットがあるというほどではないように思います。

内服薬であるがゆえに副作用として消化器症状があり、血中半減期が長いことから、副作用が出た時に長引く恐れもがあります。また、耐性が生じやすいのではないかという懸念もあり、あまり積極的に勧められるものではないのかもしれません。

これら抗インフルエンザ薬を使わないというケースで、漢方薬である麻黄湯を使われている先生方も多いかと思います。大規模なエビデンスという点では難しい面もありますが、症状の軽減には効果があるという報告が見られています。

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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