2019年03月04日

第29回月輪呼吸器疾患研究会・アスベスト疾患をみるためのエッセンス見聞録3

中皮腫は石綿曝露との関連が非常に強い(≒石綿曝露しないと発症しない)ので、肺がんとは少し意味合いが異なります。

アスベストに暴露してから中皮腫の発症まで、潜伏期間中央値が今のところ43年となっています。アスベスト曝露期間の中央値は30年、診断時の年齢中央値が68歳です。

中皮腫発症までの潜伏期間中央値が43年ということは、もちろんアスベストは2005年以降使われていないわけですが、まだまだ中皮腫の患者さんは発生すると考えられているのです。

中皮腫のCTにおける特徴は縦隔側胸膜の肥厚で、胸腔鏡で観察すると8割は隆起性病変があって2割は肥厚型の病変があり肥厚型では深く生検しないと診断に至らないこともあるようです。

病理の分類では上皮型が60%、肉腫型が15%、二相型が20%の割合とのことですが、病理診断はしばしば難しく、病理が当てはまらずに認定されないということもあるようです。

pitfall(落とし穴)として挙げられていた、鑑別の難しいペアとしては以下のものがあります。
偽中皮腫様腺癌 vs 中皮腫
多形性肺がん vs 肉腫型中皮腫
線維性胸膜炎 vs 早期の中皮腫

中皮腫においても肺がん同様、労災と救済法の認定にはずれがありまして、労災では病理学的な確定診断がなくても、1年以上の石綿ばく露歴と、背景の石綿肺(第1型以上)があり、画像上中皮腫の蓋然性が高ければ認定できるとなっています。

それに対して救済法における認定基準は、病理で中皮腫であると確定診断がある場合になります。こちらは肺がん同様、職業歴を問われずに認定されます。

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posted by 長尾大志 at 16:33 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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