2019年03月13日

【在宅呼吸不全患者に関する講演会】見聞録

これもずいぶん昔の話になってしまいますが、去る2月18日(月)、国立病院機構南京都病院 呼吸器センター 内科医長 角 謙介 先生によります【在宅呼吸不全患者に関する講演会】を拝聴いたしました。

演題名は「NPPVのすべらない話」。角先生は以前にも書きましたが、昔私が京大にいた頃、(随分前ですけれども)一緒に働いていたことがあり、その頃からワードセンス、ギャグセンスにキラリと光るものをお持ちでした。

今回のお題は角先生ならではのタイトルで、随所に工夫とセンスが見える素晴らしいお話でした。自分の講義とかに取り入れたい喩えがたくさん。

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盛り沢山のお話でメモを取るのがなかなか追いつかず、要所要所でのメモ書きを見て印象に残ったことを振り返りたいと思います。

まずいちいち喩えが秀逸。例えば正常肺を、小さな腰のある風船がたくさんある様子に例え、気腫肺を大きいピロンピロンの風船一個に例えた図はつかみに効果的と思いました。

そうかと思えば他にも色々喩えがあり、一番印象的だったのがパンの喩えです。正常肺が普通の食パンだとしたら、COPD(気腫)の肺は、膨らませすぎた過発酵の食パンになると。

私はパンを作らないので、過発酵がいまいちピンとこなかったのですが、やはり空間が大きくなり、嚢胞性変化も多数出てくるような断面になるようです。

結核は治るときに周囲、胸膜や周辺部分が卵の殻みたいに硬くなる、ということで、外がカチカチ、中はもっちりほかほかのフランスパンに喩えられました。

脊椎後側弯症は、鞄に入れて変形したパン、つまりパンそのものは変質していないのに、外からの圧力によって形が変わった様子を喩えられました。

そして秀逸だったのが肺水腫をフレンチトーストに喩えられたくだりです。肺に水が染み込んでいる様子をハッキリと想起することができました。これは使える。

それから間質性肺炎は、一週間おいてカチカチになったパン。もう少し縮むという要素も表現するような喩えがあるといいですね。少し考えましょう。

後半はNPPVについて、たくさん教えていただきました。

NPPV の「モード」は自発呼吸との付き合い方によるものです。よくあるS/T、それからT、そしてSモードの喩えは、Sモードが出来杉くん、放っておいても自分で勝手にきっちりやってしまうので、無理強いする必要がない、つまり自発呼吸がしっかりあるので、無理やり外から換気をやらせる必要がないという説明で、思わず膝を打ちました。

Tモードはのび太です。つまりこちらが全て無理やりやらせないと、普段から昼寝ばかりしていて全く何もしない、ということを鮮やかにいい表されました。

S/Tモードは普通の人、スネ夫だと。別にスネ夫でなくてもいいんでしょうけれども、ある程度自分でやるけど、ある程度は強制的にやらせる、そんな感じでしょうか。

PEEPやEPAPの説明で、内因性PEEPを消すことの意義について、大変分かりやすく説明していただきました。これはここで一口には書けないので、今後COPD の説明をする時に取り入れていきたいと思います。他にもNPPVの話、細かい設定の話など、たくさん教えていただいたのですが、これは書いていいかどうかよく分かりませんので、また何かの説明の時に取り入れていきたいと思います。角先生、本当にありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 18:23 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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