2019年03月14日

第9回滋賀IPF研究会見聞録

もう少し振り返りが続きます。こう見えて(勉強していないように見えて)実のところちょこまかと勉強しているのです…。

去る2月21日に行われた、第9回滋賀 IPF 研究会におきましては、公立陶生病院呼吸器アレルギー疾患内科副院長兼主任部長の近藤康博先生によります『IPF診療の最前線』というタイトルでお話をいただきました。公立陶生病院は超有名、近藤先生も超有名ですが、日本における間質性肺炎の中心的役割を果たされている、規模も大きいですし扱われている患者さんの数も圧倒的に多い施設であります。

呼吸器スタッフの数も多く、入院患者さんも多く、VATsを年間50例くらいされているということで、やはりいつも、画像もそうですが病理組織を使った、説得力のあるお話をしていただきます。

こちらも少し前の話になりますのと、メモを取るのがいっぱいいっぱいであったこともあり、印象に残った点+所感の箇条書きになることをご容赦いただければと思います。

(内容振り返りここから)
・検診発見で異常影間質影のみ見られる群をILA(Interstitial Lung Abnormalities)と言う。無症状で潜在性な間質性肺炎患者が、CT検診の普及で発見されることが増えていて、その一部はIPFに進展し、急性増悪で不幸な転帰となる可能性があると報告されている。

・2011年du Bois論文(AJRCCM Vol. 184, No. 12 pp. 1382–1389)で、6ヶ月間のFVCの低下率と、その次の1年での死亡率を見た論文が印象的である。低下率が5%未満であれば死亡率5%以下、5〜10%であれば死亡率は12%、そして10%より多い場合の死亡率は24%にもなる。

・死去されるIPF患者さんの4割は、3ヶ月前にはそうなることは夢にも思わないくらいの重症度であったりする。亡くなる原因の40%は急性増悪である。

・ピルフェニドンはNNTが31人くらい、つまり31人治療することで、1年間で1人亡くなる人を減らすことができるということ。これが医療費に対してどの程度リーズナブルであるかというような観点も今後は必要かと思われる。

・FVCが70%未満の人は、年間16%急性増悪を引き起こす。

・抗線維化薬を使うからにはIPFとの診断は絶対である。

・HRCTでのパターン、Indeterminate for UIPは、他の疾患に合致するものではないがUIPとも言えない、という所見で、早期の IPF はここに入る。IPFの可能性が50〜70%と見込まれるものである。

・それに対してAlternative DiagnosisはUIPとは違うという意味合いになって、それでもIPFの可能性は50%未満ながら残るとのこと。

・Indeterminate for UIPやAlternative DiagnosisであればIPF以外を一応想定するけれども、IPFの可能性も捨てないという態度が必要。これらの場合、ステロイド+免疫抑制薬の治療を試みて、抵抗性があればIPFと診断して抗線維化薬を使うことになる。

・生検しなくてもいい、という決断を下すにはMDDを経ていることが条件だと考えられている。少なくともUIP以外と考えられる時には生検をすべきである。

・公立陶生病院では、公立学校共済組合近畿中央病院放射線診断科部長の上甲 剛先生、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病理学/病理診断科教授の福岡順也先生と週1回MDDカンファレンスを行っている。
(ここまで)

やはりそのぐらいしないといけないんだなあ…と思いました…。

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posted by 長尾大志 at 17:57 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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