2019年04月04日

気管支喘息/COPD安定期の対応4

・増悪の予防

増悪の原因として、呼吸器感染症(細菌感染・ウイルス感染・非定型病原体による感染など)、大気汚染などが大きな割合を占めていると考えられています。そのため増悪の予防としては手洗いなどの感染予防が重要であることは論を待たないわけですが、それ以外には以下のようなものが勧められています。

・禁煙
・肺炎球菌ワクチン
・インフルエンザワクチン
・リハビリテーション
・長時間作用性気管支拡張薬


・禁煙

喫煙者では線毛機能が障害されたりして感染のリスクが高く、禁煙者に比べて増悪頻度が高いものです。禁煙によって増悪頻度が1/3程度に減少するとされています。


・ワクチン

気道感染の予防策として、手洗いとともにワクチン接種が有効です

@肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンにはPPSV23(ニューモバックスレジスタードマーク)と、PCV13(プレベナーレジスタードマーク)の2種類があります。日本では65歳以上のすべてのCOPD患者に肺炎球菌ワクチン接種が推奨され、65歳未満でも重症のCOPD患者にはPPSV23の投与が推奨されています。

Aインフルエンザワクチン
あらゆるCOPD患者にインフルエンザワクチン接種が推奨されています。


・リハビリテーション

身体活動性の低下は誤嚥などにつながり、増悪が増加し生命予後も不良になるため、身体活動性を維持するよう努めることが重要です。


・長時間作用性気管支拡張薬

メタ解析の成績ではLAMA、LABA、ICSいずれもCOPDの増悪頻度を減少させることが分かっています。しかし一方で、ICSは肺炎のリスクが増加することが示されており、ICS の使用に関してはまだまだ議論があるところです。

呼吸器研修ノート

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:50 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。