2019年04月09日

第59回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「内視鏡1」セッション予習3

■ 気管支鏡検査におけるPtcCO2モニターの有用性についての検討

【背景・目的】
気管支鏡検査中の苦痛緩和のため鎮静を行うことが推奨されている。一方、深鎮静による呼吸抑制のリスクがあるがその評価方法は確立していない。気管支鏡検査中に経皮的二酸化炭素分圧(PtcCO2)のモニタリングを行い、その有用性について検討した。

【方法】

気管支鏡検査のうち、ミダゾラム、フェンタニルを使用した40例について安全性の評価を行った。開始時のPtCO2とPaCO2の乖離が5Torr未満の35例について、PtcCO2の開始時から最大値までの変動が12未満(L群)12以上(H群)の2群に分けてさらに解析した。

【結果】

鎮静・鎮痛に起因する検査中止や周術期の心血管・脳血管イベントは認めなかった。Henderson-Hasselbalchの式で推定した最低pHはL群で7.229、H群で7.101であった。開始時のPaCO2、A-aDO2と推定最低pHとは有意な関連がなかった。低酸素イベント(5L/分以上の酸素投与)はL群で2例、H群で8例と後者で優位に多く発生した。

【結語】
気管支鏡検査中のpH低下予測や低酸素状態回避にはPtcCO2モニターが有用である。


所感

経皮的二酸化炭素分圧モニターは少し前に当院でもデモ機があって、何に使おうかな〜となっていたのですが、このように使われたのですね。CO2の変化が大きい方が低換気となり低酸素になる、考えてみればその通りですが、低酸素の回避にどのように活かすかが問題かもしれません。



■ 肉眼ではわからない植物組織で生じた気道狭窄により繰り返された閉塞性肺炎

植物組織による炎症で長期間気道狭窄を生じ、閉塞性肺炎を繰り返す症例を経験した。
糖尿病で経口血糖降下薬を服用している高齢女性。咳嗽症状から約2か月の経過で左上葉無気肺が完成し、閉塞性肺炎も合併した。CTで肺門部に腫瘍性病変は認めなかった。抗菌薬治療にて速やかに無気肺は解除され肺炎も軽快した。その後数ヶ月おきに左上葉無気肺と閉塞性肺炎を2回発症したが、いずれも抗菌薬の投与で軽快した。
気管支鏡で確認したところ、舌区の入口部が狭窄し炎症性滲出物で閉塞していた。粘膜組織を生検したが非特異的炎症所見のみで悪性所見はなかった。肉眼では確認できないが植物組織を鏡検で認め、食物残渣と思われた。植物組織は閉塞性肺炎の発症時に複数回検出された。したがって、この植物組織は1年近く気道内に残存し、気道狭窄の原因になった可能性がある。
気道異物は乳幼児や高齢者、もしくは精神障害などの基礎疾患がある場合に認めることが多い。症例は認知機能に問題はなく、異物誤嚥のエピソードもなかった。
気道内に明らかな異物を認めなくても、食物誤嚥による気道狭窄を生じうる。病変は数ヶ月間残存し、閉塞性肺炎を繰り返すことがある。

所感

ちょっとわかりにくいのですが、生検組織は非特異的炎症所見+植物組織を認めた、ということですかね?でも複数回検出された→喀痰の鏡検、ということかも。「肉眼ではわからない」が売りなのか、果たして…?

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posted by 長尾大志 at 18:02 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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