2019年04月10日

第59回日本呼吸器学会学術講演会ポスター発表「内視鏡1」セッション予習4

■ 気管支鏡検査を受ける患者の抑うつ不安の状態と薬物介入の効果

【目的】

肺がんの疑いで気管支鏡検査を受ける患者の抑うつ・不安を評価し、抗うつ薬(ミルタザピン)投与による心理状態とQOLの変化を明らかにする。

【対象および方法】

気管支鏡検査入院をした患者を対象に検査入院時と初回外来時に質問票による調査を行った。抑うつ・不安は日本語版HADS、QOLはFACT-Lにて評価した。HADS得点11点以上で希望者に抗うつ薬を処方した。

【結果】

検査時46.5%に抑うつ・不安が見られ、この群のHADS得点には咳や胸の締め付け感が影響していた。抗うつ薬服用群は非服用群に比べ抑うつ得点より不安得点が高かった。QOLの総合得点は服用群が被服用群より低い傾向が見られた。初回外来でのHADS得点変化量及び QOL 変化量は服用群の改善が大きかったが、服用の有無による群間の有意な差は見られなかった。

【考察】

気管支鏡検査の身体侵襲の大きさが不安を高めたと考えられる。薬物服用により抑うつ・不安得点の改善が見られたため、検査入院時の心理状態の評価と早期介入によりQOL維持の可能性がある。

所感

気管支鏡前の抑うつや不安に対してミルタザピン投与で改善した、という報告。1回こっきり(のことが多い)検査前の不安に対して、投薬が必要なものか、議論が必要かもしれません。



■ 末梢孤立性病変に対するガイドシース併用気管支腔内超音波断層方法(EBUS-GS)後の感染症のリスク因子の検討

【背景】

気管支鏡検査後の感染症は重大な合併症であり、その適切な予防は重要な課題である。

【目的と方法】

当院で腫瘍性病変の診断目的でEBUS-GS法を行い、検査後に感染症を起こした症例のリスク因子を明らかにする目的で、多変量解析を行った。

【結果】

年齢中央値72歳、性別、年齢、検査前白血球、CRP値は検査後感染に有意な関連はなかった。一方、CT所見での内部壊死を疑う低吸収域、腫瘍内空洞、気管支鏡下での病変責任気管支の狭窄所見が感染群に有意に多い所見として抽出された。また全症例のうち102例で予防的抗菌薬投与がなされており、傾向スコアを用いたマッチング法では明らかな予防的抗菌薬投与の効果は認められなかった。

【結語】

感染のリスク因子として腫瘍内部壊死、腫瘍内空洞や責任気管支狭窄などが抽出されたが、検査後の抗菌薬投与のみでは感染を予防できない可能性もあり別の対策が必要である。

所感

BF後の抗菌薬投与は効果がない、というのは以前に研究結果がありましたが、感染リスク因子を抽出されたのが新しいですね。

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posted by 長尾大志 at 18:45 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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