2019年10月14日

カリキュラム私案

臨床実習のあり方として参考になるのが、以前学生さん(6回生)にしたアンケートです。卒業前の学生さんに、実際教員に何を求めていたのか、その期待に教員は応えていたか、というのを聞いてみたものです。これも研究の体ではありませんので、どこかに発表する、ということはしておりませんが、本学の「全学フォーラム」でたくさんの教員の皆さんにお話をさせて頂きました。その後特に反応は受け取っておりませんが…。

こちらもほとんど自由筆記で書いてもらいましたが、多く集まった意見として、せっかく授業を受けるんだから、事実の羅列とか本に載っているようなことではなくて、もう少しその理屈であるとか機序であるとかそういうところをわかりやすく話して欲しかったという声がありました。

それ以外には、大学ならではの「最先端の研究」に触れたかった、「臨床」に直接もっと触れたかったという意見、それからロールモデルを見たかったという意見などが挙げられました。

そういった意見も参考にして、今年の4月から当科の臨床実習を組み替えました。現在の臨床実習は循環器内科、呼吸器内科各々一週間(!)の割り当てなのですが、目玉?として、闘魂外来(問診から診察、検査の立案、鑑別診断をあげる、そして治療までも、ある程度自分たちで、できないまでも考えてみるということをやってもらいます)が2日あります。そして入院中の患者さん(慢性疾患、あるいは急性期であっても、継続的に患者さんと接することができます)にお話を伺うとか、診察をさせていただくことで、患者さんの気持ちを知る機会であったり、事情を斟酌したりというような体験をする。それから身体診察では、特徴的な所見を持つ疾患の身体診察所見に触れる。このようなことも意識して行ってもらっています。

そして実際に体験した患者さんの疾患について、自分なりに深掘りして調べてくる、そのようなことをやっています。こんな感じで、学生さんには(外交辞令もあるかと思いますが)なかなか好評を頂いておりますが、なにせ1週間という限られた期間ですので、なかなかそれ以上のことは難しいのが現状です。これを仮に4週間いただけるとするならば、どのように変えていきましょうか。

まず闘魂外来、これは学生さんのモチベーションアップに直接つながる非常に貴重な機会ですし、学習効果もかなり高いと実感していますので、これは外せません。それ以外は入院患者さんの担当をすることで深めていくことになるでしょう。そして今では臨床実習の前に実習時間として設けられている「臨床実習入門(シミュレーターを使って所見を取る練習)、それに少人数能動学習、それから場合によっては臨床診断学の授業、この辺を実習の中に組み込んでいくことで、モチベーションを上げた状態で学びをしっかり行なっていくことにつながるのではないかと考えます。

特に臨床実習入門は、患者さんに接していない状態でやってもただのお遊びにしかならないように見受けますので、まず患者さんと接して、患者さんの所見を見てからシミュレーターを使って、心ゆくまで所見を取る、繰り返し繰り返し音を聞いたり触ったり、とするほうが深い学びが得られるかと考えます。このようにカリキュラムの工夫をすることで、しっかりと実習期間を取りながら持続可能な実習をやっていくことが可能なように思います。

もちろん自分たちで学習する時間も設けます(少人数能動学習的なところです)が、例えば1学年上の学生が下の学生に教える、研修医が学生に教える、このような屋根瓦式のコンセプトを持ち込みたいところですが、このあたりはしっかりと設計しないとなかなか大変かもしれません。

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