2020年09月14日

胸部X線読影道場ふたたび331

3年前にも既に異常影が見られますが、両側上肺野、肺尖付近に網状影〜すりガラス影があり、少し気管分岐角が開大しつつあるようです。

それがこの3年間で、両側上肺野を中心に肺の収縮が見られています。気管は右に蛇行し、気管分岐はさらに開大しました。網状影・すりガラス影・粒状影にも見える陰影が肺全体に(びまん性に)増加しています。

陰影の性状からは上肺野主体の線維化を来す、PPFE(pleuroparenchymal fibroelastosis)のように見えます。ちょっと専門的な、比較的稀な病態ですが、間質性肺炎の1つの型とご理解ください。

で、このPPFEが、2ヵ月前と比べてどうなったか。

特に左下、心陰影に隠れて、一部横隔膜シルエット陽性の、べたっとした濃度上昇域が見られます。それと、両側びまん性に、なんとな〜く濃度が上がっているようです。

誤嚥性肺炎を来して、急性増悪となった症例でした。

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posted by 長尾大志 at 14:38 | Comment(0) | 胸部X線道場
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