2021年10月18日

胸部X線読影道場ふたたび626

昨日の写真、以前がいつごろなのかが抜けていました。失礼しました。4年ほど前でした。

一見右>左・上>下で肺が縮み、気管の右への蛇行と分岐部の開大、肺門の挙上が見られます。右には胸水もあり。肺尖付近の胸膜が分厚くなっていて、パッと見PPFE、ワンチャンNTMか、はたまたその他の感染症か、粉塵曝露があればじん肺など…そのような印象ですね。

PPFEであるとなかなか介入が困難、ということもあり、喀痰検査や気管支洗浄を試みて菌の検出に努める以上、積極的な検査には踏み込みにくい陰影ではなかろうかと思います。

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posted by 長尾大志 at 19:55 | Comment(3) | 胸部X線道場
この記事へのコメント
4年の経過で右葉の萎縮と透過性の低下が見られ、肺線維症を考えました。また、PPEFを知らなかったので、調べました(https://遠隔画像診断.jp/archives/5808)。

右葉優位に病変が進行していますが、PPEFとしては矛盾しないのでしょうか?
また、片側優先な肺の線維化の初見からは、何を鑑別に上げるべきなのでしょうか?
Posted by シロクマ at 2021年11月28日 13:50
PPFE(EFでなくてFE、です)はまだまだ疾患概念として成熟しておらず、確定診断に生検が必要(にもかかわらず診断しても治療法がないため、生検モチベーションがあがらない)なので、なかなか疾患観みたいなものができにくいのですが、片側優位例もしばしば見かけるといわれています。鑑別は記事の通りです。
Posted by 長尾大志 at 2021年11月30日 17:58
間違えてしまいました。
片側優位な事も有るのですね。勉強になります。
ご回答下さりありがとうございました。
Posted by シロクマ at 2021年11月30日 22:09
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