2021年10月23日

抗菌薬・彼我の差を考える1 アンピシリン(ABPC)

添付文書
静脈内注射の場合 アンピシリンとして、通常、成人には1日量1〜2g(力価)を1〜2回に分けて日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し静脈内注射し、点滴静注による場合は、アンピシリンとして、通常、成人には1日量1〜4g(力価)を1〜2回に分けて輸液100〜500mLに溶解し1〜2時間かけて静脈内に点滴注射する。
敗血症、感染性心内膜炎、化膿性髄膜炎については、一般に通常用量より大量を使用する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

プラチナマニュアルでは腸球菌感染性心内膜炎に対し、2gを4時間ごと(+ゲンタマイシン)。肺炎に対して使うことは推奨されていません。確かにアンピシリンでいける肺炎球菌ならPCGでもいけるはずで、嫌気性菌をカバー、となればスルバクタム(経口薬だとクラブラン酸)が欲しくなりスルバクタム・アンピシリンを選択することになる。嫌気性菌を考えなくてよく、BLNARやBLPARが少ない地域でインフルエンザ桿菌までカバーする、といういささかマニアックなシチュエーションでの出番くらいしかなさそうです。

ということで、肺炎に対して使うのであれば症状詳記しながらせめて2g×4回、とかになるかと思うのですが、そこまでして使う場面はあるかいな?という感じでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 18:24 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート
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