2022年01月10日

胸部X線読影道場ふたたび643

こちらの陰影ですが、左側は全く肺紋理のない低吸収域があり、肺野との間に明瞭な「低吸収域に向けて凸の」境界線=臓側胸膜が見られ、気胸と判断できます。右側も肺尖・上肺野は低吸収域ですが、肺野との境界線は「肺野に向けて凸」ですから、こちらは嚢胞と考えられます。

気管が少し右に偏位しており、左胸腔は陽圧と考えられます。また、左横隔膜に重なって二ボーが見え、胸水も存在しているようです。

左の肺野はかなり縮んでいるので、肺野の陰影は評価困難ですが、右の肺野は嚢胞が関与した網状影もありそうです。線維化があるかどうかの判断は難しいですね。1か月後にはこんな感じでした。左側はどうなりましたでしょうか。

スライド501.JPG

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posted by 長尾大志 at 16:09 | 胸部X線道場